ニットの毛玉の取り方|道具別の使い分けと、やってはいけない対処

服のトラブルを直す 公開 2026年8月7日 更新 2026年8月10日 約8分で読めます

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この記事の結論

ニットの毛玉は電動の毛玉取り器で取るのが最も安全です。手で引っ張って抜くと穴が開くため、絶対にやめてください。

最終更新: 2026年8月10日

ニットの毛玉の取り方|道具別の使い分けと、やってはいけない対処
目次27項目
  1. ニットの毛玉は自分で取れる? 見分ける3つの状態
  2. 表面に浮いているだけなら取れる
  3. 生地が薄くなっていたら取らない
  4. 穴が開きかけているものは先に補修する
  5. ニットに毛玉ができる原因は摩擦
  6. 毛玉ができやすい場所は決まっている
  7. 素材で起きやすさが変わる
  8. 洗濯機の中でも毛玉はできる
  9. 毛玉取りに使う道具と使い分け
  10. 電動の毛玉取り器
  11. 眉毛用の小さなハサミ
  12. 毛玉取りブラシ
  13. カミソリ・粘着ローラー・スポンジは使わない
  14. 素材別の毛玉の取り方
  15. ウール・カシミヤ
  16. アクリル・ポリエステル
  17. 綿・綿混
  18. モヘア・アンゴラなど毛足の長いもの
  19. 毛玉取りでやってはいけない4つのこと
  20. 自分で取れないときはどうするか
  21. クリーニング店に頼めるか
  22. 頼むときに伝えること
  23. 直せないほど傷んだニットの使い道
  24. ニットに毛玉を作らないための着方・洗い方・しまい方
  25. 着るとき
  26. 洗うとき
  27. しまうとき

毛玉は、表面に出た短い繊維が絡まって玉になったものです。繊維が絡まっただけなので、正しく取れば生地は元の見た目に戻ります。

ただし取り方を間違えると、毛玉と一緒に生地を削ることになります。一度薄くなった生地は戻りません。まず、自分のニットが取ってよい状態かを見分けてください。

ニットの毛玉は自分で取れる? 見分ける3つの状態

毛玉が表面に浮いているなら取れます。 生地ごと固まっていたり、下の編み目が透けていたら、触らないほうが安全です。

明るいところで生地を広げ、毛玉の根元を見てください。

状態取ってよいか
毛玉が表面に浮いていて、下の編み目が見える取れる
毛玉が密集しているが、生地の厚みは残っている取れる。ただし力を弱く
毛玉の下の生地が薄く、光に透ける取らない
毛玉が生地と一体化して硬くなっている取らない

表面に浮いているだけなら取れる

指で毛玉を軽くつまんで持ち上げたとき、細い糸で生地とつながっているのが見えるなら、この状態です。根元を切るか削るかすれば、生地に影響なく取れます。

生地が薄くなっていたら取らない

毛玉ができる場所は、繰り返しこすれた場所です。毛玉が多い部分は、その下の生地もすでに減っています。 窓に向けて透かしたとき、周りより明るく透けるなら、そこは限界に近い状態です。ここで毛玉を取ると穴が開きます。

見た目が気になる場合は、毛玉をハサミで数個だけ切って、それ以上は触らないでください。

穴が開きかけているものは先に補修する

毛玉の根元に小さな裂け目が見えることがあります。この状態で毛玉取り器を当てると、裂け目が一気に広がります。先に裏から補修布を当てるか、直せないなら着る場所を変えてください。

ニットに毛玉ができる原因は摩擦

毛玉は摩擦でできます。繊維の表面から短い毛が出て、それがこすれて絡まり、玉になります。 素材の良し悪しではなく、こすれた回数の問題です。

毛玉ができやすい場所は決まっている

脇の下、袖の内側、身頃の側面、バッグを掛ける肩、椅子の背に当たる腰。いずれも、動くたびに布と布、または布と物がこすれる場所です。

つまり毛玉の場所を見れば、原因も分かります。 肩だけにできているならバッグ、腰だけなら椅子か座り方が原因です。

素材で起きやすさが変わる

繊維が細くて短いほど、抜け出て絡まりやすくなります。

  • できやすい:アクリル、ポリエステル、それらの混紡、ウールの短い繊維を使った安価なニット
  • できにくい:繊維の長いカシミヤやメリノウール、綿、麻、シルク

化学繊維は繊維そのものが丈夫なので、一度できた毛玉が落ちずに残り続けるという特徴もあります。天然繊維の毛玉は着ているうちに自然に落ちることがありますが、化学繊維では落ちません。

洗濯機の中でも毛玉はできる

着ているときだけではありません。洗濯機の中で他の衣類とこすれるのも大きな原因です。とくにタオルやデニムと一緒に洗うと、その表面でニットが削られます。

毛玉取りに使う道具と使い分け

電動の毛玉取り器が最も安全で早いです。 ハサミは仕上げ、ブラシは日常のお手入れに使います。

道具向いている状態注意点
電動の毛玉取り器広い範囲に毛玉が散っている押しつけない。刃のすき間を調整する
眉毛用の小さなハサミ大きな毛玉が数個だけ引っ張らずに根元を切る
毛玉取りブラシ毛玉になる前の毛羽立ち強くとかすと毛羽が増える
カミソリ生地を削るので使わない

電動の毛玉取り器

刃が回転して毛玉を切り取ります。生地を平らに置き、押しつけずに滑らせるのが基本です。力を入れるほど生地が刃に吸い込まれます。

刃と生地のすき間を調整できる機種を選んでください。薄手のニットではすき間を広く、厚手ではやや狭くします。すき間を最初から狭くすると、生地ごと削ります。

眉毛用の小さなハサミ

大きな毛玉が数個だけなら、ハサミのほうが確実です。毛玉を指でつまんで持ち上げ、生地から浮いた根元を切ります。 つまんで引き上げるとき、生地まで引き上げないよう気をつけてください。

先が細く、刃の短いものが向いています。裁ちバサミは刃が長すぎて生地を巻き込みます。

毛玉取りブラシ

毛玉になる前の、毛羽立った繊維を寝かせるための道具です。すでにできた毛玉は取れません。 着たあとに一方向へ軽くとかしておくと、毛玉になる前に繊維が落ちます。

天然毛のブラシは繊維を傷めにくく、カシミヤやウールに向いています。

カミソリ・粘着ローラー・スポンジは使わない

カミソリは刃がむき出しで、生地との角度が少し変わるだけで繊維を削ります。取れたように見えても、生地は薄くなっています。

粘着ローラーは表面のほこりは取れますが、絡まった毛玉は取れません。無理に引き剥がすと繊維を引き抜きます。台所用スポンジの硬い面も同じで、繊維を引っかけて毛羽立ちを増やします。

素材別の毛玉の取り方

素材によって、当てる力と使う道具を変えます。洗濯表示のタグで組成を確認してから始めてください。

ウール・カシミヤ

繊維が弱いので、電動の毛玉取り器はすき間を広めにし、一か所に留めず一定の速さで動かします。 カシミヤは特に薄いため、ハサミで数個ずつ切るほうが安全なこともあります。

作業のあとは、天然毛のブラシで毛並みを整えてください。表面が均一になり、次の毛玉ができにくくなります。

アクリル・ポリエステル

繊維が丈夫なので、毛玉取り器をしっかり使えます。ただし毛玉が固く、量も多いのが普通です。一度で全部取ろうとせず、同じ場所を2〜3回に分けて通してください。

化学繊維の毛玉は自然には落ちないので、定期的な作業が必要になります。

綿・綿混

綿単体では毛玉ができにくく、できても取りやすい素材です。ただしポリエステルとの混紡では、化学繊維側の繊維が絡んで固い毛玉になります。この場合はポリエステルと同じ扱いにしてください。

モヘア・アンゴラなど毛足の長いもの

毛玉取り器を使わないでください。 毛足そのものを刈り取ってしまい、風合いが戻りません。指で毛玉をつまんで、根元をハサミで切る方法だけにしてください。

毛玉取りでやってはいけない4つのこと

手で引っ張って抜く。 毛玉は生地の繊維とつながっています。引き抜けば、その繊維が抜けた穴が残ります。取れた瞬間は綺麗に見えますが、生地は確実に減っています。

濡れた状態で作業する。 濡れた繊維は伸びやすく、刃に引き込まれます。必ず乾いた状態で行ってください。

同じ場所を何度も往復させる。 毛玉が取れないのは、力が足りないのではなく、その毛玉が生地と一体化しているからです。往復させるほど生地が薄くなります。2回通して取れないものは、ハサミに切り替えてください。

着たまま取る。 体の上では生地が張った状態になり、下の生地まで刃が届きます。必ず脱いで、平らな面に置いてください。

自分で取れないときはどうするか

毛玉が生地と一体化している、または生地が薄くなっている場合は、自分で取るのをやめてください。

クリーニング店に頼めるか

毛玉取りは、多くのクリーニング店で「別料金の追加作業」として扱われています。通常のクリーニング料金には含まれていません。 受け付けているかどうかは店によって差があるので、持ち込む前に電話で確認してください。

料金と日数は生地の状態を見てから決まります。事前に見積もりを取り、どこまで取るかを具体的に伝えてください。 「全部取ってください」と頼むと、生地の薄い場所まで作業されることがあります。

頼むときに伝えること

  • どの部分の毛玉が気になるか(肩だけ、脇だけ、など)
  • 生地が薄くなっている場所があるか
  • 自分で取ろうとしたことがあるか

直せないほど傷んだニットの使い道

生地が薄くなり、毛玉を取れば穴が開く状態まで来たら、その1着は着る場所を変えます。上着の下に着る、家の中だけで着る、といった使い方なら問題なく使えます。

ニットに毛玉を作らないための着方・洗い方・しまい方

原因は摩擦です。こすれる回数を減らせば、毛玉はほとんどできません。

着るとき

  • 同じニットを2日続けて着ない。 1日着たら1日休ませると、繊維が元に戻る時間ができます
  • バッグは同じ肩にかけ続けない。肩だけに毛玉が集中するのはこれが原因です
  • 上着の袖口が硬い素材のときは、中のニットの袖がこすれます。腕まくりするか、袖の細いニットを選んでください

洗うとき

  • 裏返して洗濯ネットに畳んで入れる。 これだけで表面のこすれが大きく減ります
  • タオル・デニム・面ファスナーのついた衣類と一緒に洗わない
  • 中性洗剤を使い、水流の弱いコース(ドライコース・手洗いコース)を選ぶ
  • 乾燥機に入れない。回転の摩擦で一気に毛羽立ちます

しまうとき

畳んで棚に置きます。吊るすと肩に重さがかかり、そこがこすれます。ぎゅうぎゅうに詰め込まないのも重要で、出し入れのたびに隣の服とこすれます。

しまう前に一度ブラシで毛並みを整えておくと、次に出したときの状態が変わります。

手順

  1. 服を平らな場所に広げるテーブルなど硬く平らな面に置きます。手に持ったまま作業すると生地が伸び、毛玉と一緒に繊維を巻き込みます。
  2. 毛玉の向きをそろえる目の粗いブラシで一方向に軽くとかし、毛玉を表面に浮かせます。この一手間で取れ方が変わります。
  3. 毛玉取り器を軽く当てる押しつけず、生地の上を滑らせるように動かします。力を入れるほど生地を削ります。
  4. 残った毛玉をハサミで切る大きい毛玉が残ったら、眉毛用の小さなハサミで根元から切ります。引っ張らずに切るのが重要です。
  5. 仕上げにブラッシングする毛並みを整えると、表面が均一になって毛玉が再発しにくくなります。

よくある質問

毛玉取り器とカミソリ、どちらがいいですか?
電動の毛玉取り器をおすすめします。カミソリは刃が直接生地に触れるため、力加減を誤ると繊維ごと削って薄くなります。カシミヤやアンゴラなど繊細な素材では特に避けてください。
毛玉を手で引っ張るのはだめですか?
だめです。毛玉は繊維が絡まってできているので、引っ張ると根元の繊維ごと抜けて穴が開きます。取れたように見えても生地は薄くなっています。
毛玉ができやすい素材はありますか?
アクリルやポリエステルなどの化学繊維、それらと天然繊維の混紡は毛玉ができやすい傾向があります。繊維が細く短いほど絡まりやすいためです。
毛玉は何回くらい取っても大丈夫ですか?
回数の上限はありませんが、取るたびに生地は薄くなります。頻繁に取ることになる場合は、取ることより予防を見直したほうが服は長持ちします。
新品なのに毛玉ができました。不良品ですか?
不良品とは限りません。製造時に残った短い繊維が最初の数回の着用で出てくることがあり、これは一度取れば落ち着きます。ただし数回着ただけで生地全体が毛羽立つ場合は、購入店に相談してよい状態です。
毛玉取り器は安いものでも大丈夫ですか?
刃と生地のすき間を調整できるものを選んでください。価格よりもこの機能の有無で差が出ます。すき間が固定のものは、薄手のニットで生地を吸い込みやすくなります。
洗濯すれば毛玉は落ちますか?
落ちません。むしろ洗濯中の摩擦で増えます。すでにできた毛玉は物理的に取るしかありません。

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